NFTアーティスト「エース」とは?【αUクリエイターズインタビュー】
NFTマーケットプレイス「αU market」でこれから活躍していくクリエイターに話を聞き、ヒトとNFTアートの魅力に迫る本企画。記念すべき第一回で紹介するのは、NFTアーティスト「エース」。数々のプロジェクトを成功させてきた彼の背景にあるものとは? また、現在進行中の大プロジェクト『UNCOLab by unmon』についても語ってもらった。
Profile:エース
約20年間にわたり、商業・グラフィックを中心に様々なデザインを手掛ける。大手企業やイベント等のロゴデザインでは高い評価を獲得。2022年にNFTの世界へ進出し、「JUNKeeeeS」で活動開始。ストリートを意識したポップな世界観のイラストを作り続けている。
目次
- NFTの世界へようこそ
- 成功と挑戦の軌跡
- αU marketでの新たな挑戦
- 未来へのビジョン
- 読者へメッセージ
- NFTアーティスト「エース」とは
NFTの世界へようこそ
――本日はよろしくお願いします。早速ですが、どのようにしてNFTアーティストとしての道を歩み始めたのでしょうか。
エース:2年前に「CNPR」(CNP Rookies)という、NFT初心者の応援をコンセプトにしたプロジェクトがあったんです。最初はコレクターとして入って、みんなが作るいろいろファンアートを描いているのを見ていたのですが、自分も割と絵を描ける方なので、描いてみようかなと。そこから徐々にクリエイターにシフトしていきました。
――それまではNFTではないクリエイターとして活動されていて、このプロジェクトをきっかけにNFTに触れたのでしょうか。
エース:そうです。本業でグラフィックデザインをやっているので、いろいろ作るのは好きだったんです。
――アーティストとして初めて作った作品はどんなものだったのでしょうか。
エース:アーティストとしては昔に1個作ったぐらいで、天使をモチーフにした絵でした。最初は売るつもりで描いていたんですけど、元カノが欲しいって言ったんであげました(笑)。NFTでの最初の作品で言ったら、CNPRでファンアートの一環として作った書道家さんとのコラボ作品になります。
――エースさん自身の背景や、影響を受けたものは?
エース:そんな、誰かに影響を受けたというのはあんまりなくて。でも、やっぱり昔からドラゴンボールとか、そういう漫画は結構ずっと読んでいました。自然となんかそういう絵を描くようになったって感じです。
――そうなると、ドラゴンボールに影響を受けた、ということになるのでしょうか。
エース:そうですね、鳥山明先生は機械とかの描写がうまいなと思います。だから、その模写とかもやっていましたね。今でも結構、鳥山明先生だったらこう描くんだろうな、みたいなのを自分で描いたりしています。
――他に、影響を受けたものはありますか。
エース:デザイン的にはアンディ・ウォーホールですね。ああいう奇抜な感じの色使いとか好きです。
成功と挑戦の軌跡
――過去に行ったプロジェクトについて聞かせてください。
エース:リードクリエイターとして結構声かけ頂いていまして。最初は「X2E-DAO」の「X2E-HEROES-和」に参加しました。“書道を世界へ”というテーマで書道家さん達とコラボして絵を作り、それをオークションに出すという。
他には「JUNKeeeeS」の第2弾ジェネラティブコレクション「新世界」にクリエイターチームのメンバーとして参加したり、同じくジェネラティブアートの「Magic Monkey」のリードクリエイターとしても活動しました。あと、『frien D ragon』っていう恐竜アートプロジェクトのクリエイターとしても活動しています。
――特に大きく印象に残っているものはありますか。
エース:やっぱり、「JUNKeeeeS」の「新世界」ですね。4人でクリエイターチームを組んで、力を合わせて作って完売まで持っていったことが、すごく印象に残っています。全部で3,333体の作品を販売しました。
――成功に導けた要因はなんだったのでしょうか。
エース:ファウンダーのROKUという方が、すごく熱量を持ってXのスペースや色々な場所で訴えかけていたんですね。そういう積み重ねで、ファンが増えていって。さらにクリエイティブも妥協しない人なので、4人の内、誰が書いたか分からないぐらいに高いレベルでタッチを合わせたんです。多分そこが成功の要因だったのかな。
――苦労した点や学んだ点はありますか。
エース:やっぱりプロジェクトって関わる人間が多いから、意見がまとまらないまま時間が流れていってしまうこともあって。「なかなか先に進まないな」と感じる時もあります。ただ、それは参加している人のモチベーションが高いことの裏返しで、他の人には見えないところで“みんな動いている”ということを学びました。
あとは、さっき話した絵のタッチを合わせる難しさ。やっぱりこう、癖がみんなそれぞれ出るので。
――苦労を乗り越えていくための、原動力はなんなのでしょうか。
エース:やっぱり褒められたらすっごいテンション上がります(笑)。とても疲れている時に、「すごいね」って言われるだけで、なんかちょっと救われる感じがしますね。そこがやりがいでもあります。
――エースさんがいま手掛けている作品のテーマやメッセージを教えてください。
エース:僕、キャラクターというものを持ってなくて、個人のI Pが欲しいという理由で『unmon』というウンコのキャラを作ったんです。そんなとき、周囲を見ていると「売れない」「見てもらえない」といった理由でクリエイターの友達がやめていってる現状もあって……。そんな人たちに『unmon』を使って創作してもらうことで、活躍の機会にしてもらえればと考えてコラボコレクションを始めました。ウンコなら誰でも描けるじゃないですか、絵が上手い下手関係なく。
αU marketでの新たな挑戦
――αU marketという場所をなぜ選んだのでしょうか。
エース:最初に大きかったのは、やっぱり日本円で決済ができるというところ。イーサリアムとかポリゴンのみだったら、全然売れないんです。日本人で買う人がいないから、日本円で買えるところを探していました。あとαUを見ていると、アクティブに動いている印象があって、「まだまだこれから進化していくマーケットプレイスなんだろうな」と思って選びました。
――先ほどお話に出た『unmon』もαU marketで出品するプロジェクトなんですね。
エース:そうです。『unmon』とコラボとラボを掛け合わせた『ウンコラボ』(UNCOLab by unmon)というコレクション名になりまして、132人のクリエイターが参加して1つのコレクションとして売り出すという形のプロジェクトになります。
――すごい規模ですね。
エース:132人は日本のNFTでは多分初めての規模だと思います。プロモーションとして、いまXのスペースでクリエイターさんとの対談を順次している途中なんですけど、そのアポ取りからやっています。
――それは大変そうですね。では、その先にあるゴールは何になるのでしょうか。
エース:まずはさっき話したように、ちょっとNFTに興味がある人やなかなか販売に踏み切れない人も含めて、活躍できる場にしたいです。僕も色々なプロジェクトに関わってきたので、ここは先頭を切ってやってみようかなと。で、ゴールでいうとやはりコレクションの完売です。全員の作品が日の目を浴びられるよう、プロジェクトを完遂させたいです。
未来へのビジョン
――将来的な目標や夢はありますか。
エース:『unmon』を有名にしていきたいというのが1番最初にあります。色々なところとコラボして、大きく面白くしていきたいですね。また、社会貢献の意味でも、例えばトイレトレーニングとかありますよね。ああいうのも『unmon』を使ってやってみたいなと思います。
――今後のNFT市場に対する考えや期待することはありますか。
エース:作品が売れないという状況を見てきて、日本のNFT市場がどんどん縮んでいくんじゃないかという懸念はあります。ただ、新しい人も徐々に入ってきているので、そういう人たちにもっと活躍してもらいたいなって。そしたら、面白い未来が待っているのかなと。
読者へメッセージ
――本記事の読者やファンに向けたメッセージはありますか。
エース:はい。『ウンコラボ』というのは、クリエイターだけじゃなくて、コレクターも一緒になって楽しめるコレクションです。もし、このコレクションをいいなと思ってくれてる人がいたら、「#unmon」で他のクリエイターの作品を見たり、どんどん絡みに行ってもらいたい。そこで新しい友達を見つけて、輪を広げていってもらいたいなって思います。
――本日はありがとうございました。
NFTアーティスト「エース」とは
NFTの世界へ足を踏み入れてから、わずか2年。「エース」は日本で他に類を見ないほどの大規模プロジェクトを取り仕切るまでの存在となった。今回のインタビューでは、過去・現在・未来について聞いてきたが、筆者が特に印象的だったのは、周囲のクリエイターを想う言葉の数々。そんな彼の思いが込められた『unmon』は、これからさらに大きな存在になっていくのだろう。
なお、『ウンコラボ』の第1弾は、2024年8月22日にリリース予定。最新情報は「エース」のXをチェックしてもらいたい。